名刀幻想辞典

前田藤四郎

名刀レスポンシブ1

前田藤四郎(まえだとうしろう)

短刀
吉光
8寸1分(24.5cm)
重要文化財
前田育徳会所蔵

  • 享保名物帳所載

    前田藤四郎 在銘長八寸一分 代金五千貫 松平加賀守殿
    前田孫四郎所持、子息三左衛門より加賀宰相殿へ上る、孫四郎は利長卿御二男なり今前田近江守先祖なり

    孫四郎利政は、利長ではなく利家の次男であり、利長は同母兄に当たる。そのため正しくは「孫四郎は利家卿御二男なり」となる。
  • 平造り、真の棟、鋩子小丸、中心うぶ、目釘孔2個。吉光の二字銘。

由来

  • 前田孫四郎利政が所持していたためこの名がある。
  • 享保名物帳に由来が記されている。

    前田孫四郎所持、子息三左衛門より加賀宰相殿へ上る。

来歴

前田利政→前田直之

  • 前田利家の次男前田利政から嫡子の前田直之(三左衛門)に伝わる。
  • 前田直之は、加賀藩の重臣である加賀八家のひとつ前田土佐守家の初代当主となった(家祖は利政)。

前田利常

  • 「前田藤四郎」は前田直之から加賀藩2代藩主前田利常に献上される。

    前田直之は延宝2年(1674年)10月に死去しているため、それ以前の献上となる。「二念仏」が同様の来歴で前田利政から加賀藩主家に伝わっているが、こちらは利常の代の献上で時期が異なる。
  • 延宝8年(1680年)に代百枚。

  • その後は加賀藩主の前田家で代々伝えた。

  • 文化9年(1812年)3月、本阿弥長根がお手入れした際の記録にも「前田三左衛門上る」と書かれており、これは鞘書きに「前田三左衛門上 延宝八年十二月代百枚上ル」と書かれているものに拠ったものである。

  • 昭和8年(1933年)1月23日重要文化財旧国宝)指定

  • 現在は前田育徳会所蔵

    前田育徳会では、所蔵の絵画、工芸品などの一部を1980年以来石川県に寄託し、石川県立美術館(金沢市)の「前田育徳会展示室」で順次公開している。本刀「前田藤四郎」は、2016年の5月19日から途中3日間の休館を挟み、7月18日まで公開されることが決まった。
    • 同様の来歴を持つものに「二念仏」がある。
    • 同じく前田家に伝わった藤四郎吉光があり、そちらは昭和16年(1941年)4月9日に重要美術品認定。認定時所持者は前田利為。刃長九寸七分。

名刀レスポンシブ2